岩手県は11日、新たに盛岡市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが確認され、採卵鶏計約40万羽の殺処分を始めたと発表した。過去最大規模の対応という。2日には近くの養鶏場で感染が確認され、6日に防疫措置が完了したばかりだった。県内で感染確認が相次ぐ事態に、達増拓也知事は「事態は深刻で、飼養衛生管理のレベルをもう一段上げることが重要」と述べた。
県によると、中央家畜保健衛生所に10日、盛岡市の養鶏場から鳥インフルエンザの疑いがある鶏の死亡数増加について報告があった。遺伝子検査で11日、陽性が確認された。
この養鶏場から半径10キロ以内の制限区域には養鶏場が25戸あり、約450万羽が飼養されているが、現在のところ異常は確認されていない。
県内では養鶏場での感染確認が相次ぎ、今季はこれで3例目。これまでの事例との感染の関連性については、確認されていないという。
約40万羽の殺処分は県内で過去最大規模の対応となり、国や他県に獣医師の派遣や、防疫作業のため陸上自衛隊に災害派遣を要請したという。
県は防疫措置にかかる費用として6億円の補正予算を組んだことも発表した。
達増知事はこの日、県庁で庄子賢一・農水大臣政務官と会談し、人員や防疫にかかる資材など国からの支援や協力について確認した。庄子政務官は取材に「何としても感染拡大を全力で防ぐ必要がある。飼養衛生管理の徹底を注意喚起し続け、卵の価格の安定につなげたい」と述べた。